akippaは直近7年資金調達ゼロから上場へ|大手4社が全滅した市場でなぜ成長できたのか
この記事で学べること
新規事業を立ち上げたとき、一番怖いのは「同じアイデアに大手が本気を出してくること」ではないだろうか。
資金力もブランド力も敵わない相手が同じ市場に入ってきたら、いずれ潰されるかもしれない。
そんな不安を抱えたことがある人に、読んでほしい話がある。
✓ 総合力型の大手4社が同じ市場に参入しても全滅し、退路のない専業のakippaは生き残った構造
✓ ゼロから営業網を作らず、他社が持つネットワークを借りて営業力の壁を超える設計
✓ 業界最大手が、将来自分を脅かしかねない技術をあらかじめ自社で取り込んでいた二面性
✓ 登録者数と実利用者数の差から見える、「稼働率」で会員数を評価する視点
✓ 外部資金への依存を減らせるかどうかが、事業の本当の自立度を映すという視点
マーケやビジネスモデルの事例をストーリーで深掘り。ほぼ毎日届くニュースレター。
登録で全文無料で読めます。
サポートメンバーにはさらにニュース性の高い速報記事やリクエスト事例もお届け。
ぜひ登録ください。

証券コード627A、その正体は|駐車場を1台も持たない会社が東証スタンダードへ
2026年8月18日、東京証券取引所はakippa株式会社のスタンダード市場への上場を承認した。
証券コードは627A。上場予定日は2026年9月18日、主幹事はSBI証券が務める。
akippaが運営するのは、個人宅の車庫や月極駐車場の空き区画といった「遊休スペース」と、ドライバーをスマホでマッチングする駐車場予約サービスだ。
自社で土地を保有したり借りたりすることはない。
オーナーが持っている空きスペースを、そのまま収益資産に変える仕組みだけを提供している。

受け取る手数料率(テイクレート)は原則53.7%(2026年6月末時点)。
利用者が払った金額の半分以上を、akippaが受け取る計算になる。
裏を返せば、駐車場を貸すオーナー側の取り分は残り46.3%だ。
有価証券報告書は、この53.7%を自ら「高いテイクレート(取扱高に対する手数料率)」と表現している。
それでもオーナーが離れない理由を、オーナー向け公式サイトは3つ挙げている。
・集客代行: 登録会員550万人(2026年7月末時点)への露出をまとめて引き受ける
・トラブル対応の巻き取り: 無断駐車や近隣トラブルは24時間サポートと保証が間に入る
・初期投資ゼロ: 看板やロック板の工事も不要で、最短3日で貸し出しを始められる
似た仕組みを持つ「特P」はオーナー取り分が70%とされる。
akippaの46.3%はそれより低いが、集客とトラブル対応をまとめて引き受ける分が、手数料に上乗せされていると見ることもできる。
このモデル自体は、実はそれほど珍しくない。
2017年から2018年にかけて、楽天・リクルート・NTTドコモ・ソフトバンクという名だたる大手4社が、次々と同じ市場に参入していた。
そして、全社が撤退した。
