Disney+、40億ドル赤字から年間黒字2,060億円への逆転劇

Netflixの半額で始めて、初日1,000万人が飛びついた
でもその「大成功」の裏で、業界全体が同じ罠にハマってた
しかも、流れを変えたのは一度引退した74歳の男やった
ひろ🐼データをストーリーで語るマーケター 2026.02.08
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天気予報の手伝いから始まった男

1973年、ニューヨーク州イサカ

大学を出たばかりの22歳のボブ・アイガーさんが

地元の小さなテレビ局で天気予報の仕事を始めた

翌年ABCテレビに入社。最初はスタジオの雑用係や

そこから30年以上かけて

アイガーさんはディズニーのCEOに上り詰める

Pixarに74億ドル

Marvelに40億ドル

スター・ウォーズのLucasfilmに40.6億ドル

21st Century Foxに713億ドル

合計900億ドル超の買収を重ねて「コンテンツ帝国」を築いた男や

でもアイガーさんには1つ、ずっと引っかかってることがあった

自分の判断で、ディズニーの映画をNetflixにライセンスしてたこと

マーベルもスター・ウォーズもピクサーも、全部Netflixで見られる状態にしてた

Netflixはそのコンテンツの人気で荒稼ぎして、そのお金でオリジナル作品を量産

気がついたら、ディズニーの競合になってた

アイガーさんは後にこう振り返ってる

「我々はNetflixに核兵器の技術を売っていたようなものだ。そして今、彼らはそれを我々に対して使っている」

決意する

「もうNetflixに渡さん。自分でやる」

2019年11月、Disney+がローンチした

月額6.99ドル

当時のNetflixの約半額や

初日に1,000万人が加入

16ヶ月で1億人を突破

数字だけ見たら、完璧なスタートやん

でもこの「安さ」が、後に40億ドルの赤字を生む元凶になる

***

この記事で学べること

「安くすればお客さまが来る」って、みんな思ってない?

Disney+はまさにそれをやった

Netflixの半額で参入して、1億6,400万人を集めた

でも結果は年間赤字5,270億円

しかもこれ、Disney+だけの問題ちゃう

Netflix以外のストリーミング各社の合計赤字は2022年だけで100億ドル超

業界全体が同じ罠にハマってた

✓ なぜNetflixの半額で始めたDisney+が、今やNetflixより高いのか

✓ 業界全体が100億ドル超の赤字に沈んだ「数の罠」の正体がわかる

✓ 170%値上げしても崩壊しない「逃げ道」の設計が見える

✓ 3,200万人減ったのに利益が7,330億円改善した構造が理解できる

***

目次

1. 天気予報の手伝いから始まった男

2. お客さま1人あたり「年間20ドルの赤字」

3. 日曜の夜にクビ、月曜の朝に復帰

4. Netflixより高いのに崩壊しないカラクリ

5. 3,200万人減って、7,330億円増えた

6. まとめ:Disney+が証明した「数より利益」の公式

***

お客さま1人あたり「年間20ドルの赤字」

Disney+は爆速で成長した

でも「成長」の中身がヤバかった

月額6.99ドルでお客さまを集めまくって

マーベルやスター・ウォーズのスピンオフを大量に作った

ディズニー全体のコンテンツ費は年間5兆円超え

NHKの年間予算の8倍以上や

2022年、加入者数は1億6,400万人でピークに達する

でも同じ年、年間の赤字は34億ドル(約5,270億円)

割り算したらゾッとするで

お客さま1人あたり、年間約20ドルの赤字

1億6,400万人全員が、ディズニーにとって「増えるほど損する存在」やった

ここで考えてみてほしい

あなたの会社でも

「まず安くしてお客さまを集めよう」

ってやったこと、ない?

しかもこれ、ディズニーだけの話ちゃう

2019年から2022年にかけて、

Apple TV+、HBO Max、Peacock、Paramount+が一斉にストリーミングに参入した

全社がNetflixを追いかけて、コンテンツ投資を爆発的に拡大

業界全体で2022年だけでNetflix以外の合計赤字が100億ドルを超えた

「安くして数を集める」は当時の業界の常識やった

チャペックさんだけが間違えたんちゃう。全員が同じ罠にハマってた

でもDisney+の赤字は突出してた

アイガーさん自身がこう振り返ってる

「我々は40億ドルを失った。あまりにも多くの物語を語ろうとした」

赤字の深さはわかった。じゃあ、この構造をどうやって変えたん?

答えは「人が変わった」ことから始まる

***

日曜の夜にクビ、月曜の朝に復帰

2022年6月、チャペックさんは3年間のCEO契約延長を勝ち取った

取締役会は全会一致で承認してる

たった5ヶ月後の話や

11月8日、Disney決算が出た

配信事業の四半期赤字約15億ドル

ウォール街は「現実離れしてる」とチャペックさんを批判した

なんで取締役会は手のひらを返したんか?

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続きは、2337文字あります。
  • Netflixより高いのに崩壊しないカラクリ
  • 3,200万人減って、7,330億円増えた
  • まとめ:Disney+が証明した「数より利益」の公式

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