TimeTree、7,000万人が使う「未来が見えるカレンダー」の正体
でもこの2つが「やらなかったこと」をやっただけで、200カ国に広がったカレンダーアプリがある。しかもそこから生まれた広告は、スキップされるどころか「保存」されてる
この記事で学べること
「あのアプリ、なんでこんなに使われてるんやろ?」って思ったこと、ない?
この記事では、TimeTreeさまへの直接取材と公開データをもとに、
カレンダー共有アプリの成長戦略から広告事業まで、まるごと解剖する
✓ GoogleやAppleが手を出さなかった「共有カレンダー」で7,000万人を獲得した逆転の発想
✓ 日本発アプリなのに海外ユーザーが半分以上という異常事態の理由
✓ 3年間「1円も稼がない」と決めた創業チームの胆力
✓ 「プロポーズから結婚式まで9ヶ月」の行動が全部見える予定データの衝撃
✓ 広告業界の最大の悩み「ミドルファネル」をカレンダーが解決しつつある話
✓ 試乗から納車の日数予測まで可能にした「未来の設計図」としてのカレンダー
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2015年、「1人で使うカレンダー」を捨てた男
深川泰斗さんは、もともとヤフーで働いてた。
チャットやSNSが当たり前になって、コミュニケーションの速度がどんどん上がっていく
選択肢も増える。なのに「自分の24時間をどう使うか」を整理する手段がなかった。
で、深川さんは気づいた。
「予定って、そもそも誰かと一緒に決めるものなのに、カレンダーはずっと1人用のまま。それっておかしくないか」
飲み会も、子どもの送り迎えも、家族旅行も 全部「誰かと一緒に決めるもの」。
なのにGoogleカレンダーもAppleカレンダーも「1人で使う前提」で作られてた。
共有機能はある、でもあくまで「おまけ」。
深川さんと共同創業メンバーは、そこを逆にした。「共有が前提」のカレンダーを作った。
2015年3月、TimeTreeがリリースされる。
「言った・言わない」の夫婦ゲンカが消えた理由
TimeTreeを入れた家族の口コミで、一番多いのがこれ。
「夫婦ゲンカが減った」
なんで?
こういう経験、ない?
夫が先に飲み会を入れてた。
妻は知らなくて、同じ日に予定を入れてた。
「なんで言わんの?」でケンカになる。
TimeTreeにした途端、これがなくなる。予定を入れた瞬間に家族全員に見えるから。
つまり人は「予定を管理したい」んじゃなくて、「大事な人とすれ違いたくない」んよ。
TimeTreeはそこに応えた。
家族で使う人が46% 予定ごとにチャットもスタンプもできるから、LINEで「何時だっけ?」って確認する回数も激減する。
たった1つの前提を変えただけ。「個人用」を捨てて「共有前提」にした。
これで2025年11月時点、7,000万ユーザーを突破。月100万人ペースで増え続けてる。
じゃあ次の疑問、「日本のアプリがなんで世界で使われてるん?」

なぜドイツのユーザーがハマったのか?
全7,000万ユーザーのうち、海外が3,800万人。
半分以上が海外って、日本発のアプリとしてはちょっと異常やん。
特にドイツでめちゃくちゃ使われてる。
なんで?
ドイツの家族も日本と同じ悩みを抱えてた。
「パートナーの予定がわからん」
「子どもの送り迎え、誰が行くの?」
共働き子育て世代の「すれ違い」は、国を超えて同じやったんよ。
一方でアメリカやイギリスでは友達グループで使われて10代が多い。
台湾や韓国では恋人同士で使われてる。
使い方は国ごとに全然違う。でも根っこにある悩みは同じ。
「大事な人と予定がズレたくない」
TimeTreeがやったのは、言葉を訳しただけじゃない。
国ごとに一番使われてるメッセンジャーを調べて、TimeTreeと同時に使いやすいように設計し直した。13言語、200カ国に展開。日本発アプリで海外ユーザーが過半数を超えたのは、CocoPPa以来の快挙。
「世界中で使われるアプリ」ができた。
で、次の問いは「7,000万人も集めて、どうやって稼いでるん?」

3年間、1円も稼がなかった
2015年にリリースして、広告を入れたのは2018年。
丸3年、1円も広告で稼がんかった。
なんで?
「カレンダーはユーザーの持ち物」
深川さんたちは、まずユーザーに使ってもらうことを優先した。
その判断が効いた。
広告なしの期間でユーザーは着実に増え、信頼が積み上がっていった
「焦って稼ぐ」より「先にファンを作る」
収益ゼロのまま、信頼だけを貯め込んだ。
で、その信頼をどう使ったのか。

「持ち物を汚すな」という社内の猛反対
2018年、いよいよ広告を入れる。でもここで壁にぶつかった。
社内からの猛反対
「カレンダーはユーザーの持ち物。汚したらダメ。」
予定を書き込む場所は、スマホの中で一番プライベートな空間。
そこに広告を入れるなんて、ユーザーへの裏切りちゃうか?
その声は痛いほどわかる。
でも深川さんは考え方を変えた。
「セールの開始日、イベントの予定、見たい番組の放送日。ユーザーにとって有益な情報であれば、それは広告ではなく『気づき』になるはず」
邪魔なバナーをデカデカと貼ったんじゃない。
「ユーザーの持ち物を汚さず、むしろ便利にする広告」を目指した。
実はTimeTreeの営業チームには、過去にデジタル広告の「枠売り」に疲弊した人が多い。
「本当にユーザーのためになる広告を届けたい」
その理念に共感して集まったメンバーやった。
「持ち物を汚すな」から始まった広告事業。
じゃあ実際、どんな仕組みで成果を出したのか。

広告業界が頭を抱える「知ってるのに動かない」問題
ここからTimeTree Adsの話
でもその前に、広告業界がずっと悩んでることがある。
テレビCMや動画広告で「知ってもらう」のは得意。
検索広告やECで「買ってもらう」のも得意。
でも「知った後」から「買う前」の間、つまり「自分に関係ありそう、ちょっと気になる」の段階。ここが「ミドルファネル」って呼ばれてて、広告業界ではずっと「もやもやゾーン」やった。
テレビCMでリーチは取れる。でも「自分ゴト化」されない。
「あー、そういうのあるんや」で終わる
なんでか?
2つの条件が揃ってないから。
❶その人にとって「自分向けの情報」であること
❷日常的に使うメディアで「印象に残る形」で届くこと
TimeTreeはこの2つを同時に満たしてる。
カレンダーって、毎日開くアプリやん。
しかもそこに入ってる予定は、全部ユーザーが自分で入れた「自分ゴト」そのもの。
「来週の土曜に旅行」って入れてる人に旅行関連の広告を出す。
「結婚式」って入れてる人にウェディング情報を出す。
これが「自分ゴト化」

TimeTreeさま ご提供資料より
しかも広告を見た人は、見てない人に比べて、「その広告に関連する予定」をカレンダーに入れる率が2.2〜3.1倍。予定を入れるって、ほぼ「行動する」と同じ。
つまり広告が「行動の意思決定」に直結してる。
これがミドルファネルの正体。「知ってる」を「やる」に変えるポイントやった。
じゃあ、この予定データからどんな未来が見えるのか。

プロポーズしたら、9ヶ月先まで全部見える
TimeTreeには累計150億件以上の予定データが溜まってる。
このデータから、人間の行動パターンがめちゃくちゃ鮮明に見えてきた。
たとえばプロポーズ。
プロポーズの予定を入れた日を「0日」とする。そこから何が起きるか?

TimeTreeさま ご提供資料より
+24日: 指輪
+32日: 旅行
+79日: 入籍
+92日: ウェディングフォト
+96日: 式場探し
+119日: 引っ越し
+185日: 顔合わせ、式の準備
+268日: 結婚式
(※日数は平均値)
プロポーズから約9ヶ月先まで、全部のイベントが見えてる。
これ、何がすごいかわかる?
「プロポーズ」って予定を入れた瞬間に、その人が9ヶ月後まで何をするかが予測できるんよ。
指輪屋さんは24日後にアプローチすればいい。
引っ越し業者は119日後がチャンス。
ウェディング関連は92日後から96日後。
1つの予定から、次の行動が数珠つなぎで見えていく。
検索データは「今、何に悩んでるか」を教えてくれる。
でも予定データは「次に何をするか」を教えてくれる。
この差がめちゃくちゃデカい。
じゃあ次は、もっと身近な話。車の購入。

※日数は平均日数
納車日に「大安」を選ぶ人間の本音
車を買うとき、みんな合理的に選んでるように見える。
検索データを見ると「燃費 比較」「中古 vs 新車」。
スペックを比べて、価格を比べて、口コミを読んで。
でもTimeTreeの予定データを見ると、全然違う景色が見えてきた。
100万件以上の「納車」予定を分析したデータがある。
まず試乗。
試乗は平均1.4回。80.2%の人が1回の試乗で決めてる。
しかも試乗から平均わずか49日で納車。

TimeTreeさま ご提供資料 ※日数は平均日数
もっとおもろいのが、予定の登録のしかた。
試乗のときは「ホンダ」「トヨタ」ってメーカー名で登録する人が66.5%
でも納車のときは「アルファード」「セレナ」って車種名に変わる人が83.0%
検討段階は「どこのメーカーにしよ」
決定後は「この車が来る!」って気持ちに変わってる。
予定のタイトルだけで、人の心理変化が見えてしまう。
で、極めつけ。
納車日に「大安」を選ぶ人がめっちゃ多い。
仏滅より大安の納車が64%も多い。

TimeTreeさま ご提供資料より
きれいな右肩上がりで
仏滅 < 赤口 < 先負 < 先勝 < 友引 < 大安
スペックで悩んで、最後は「縁起のいい日」で決めてる。
人間っておもろい。
しかも「納車」の予定と同時に入ってる予定で一番多いのが「車お祓い」
さらに面白いのは、車を買うきっかけ。
試乗の約111日前に「引っ越し」の予定が入ってる人が多い。
試乗の7日後に「育休」の予定が入ってる人もいる。
引っ越しや出産のタイミングと、車の購入が連動してた。
3人に1人は10時に納車してる(午前中で全体の50%超)。
検索データが「今何に悩んでるか」を教えてくれるなら、予定データは「次に何をするか」を教えてくれる。この2つを掛け合わせたら、「検討→購入→購入後のケア」まで一気通貫で見えるようになる。

※日数は平均日数
「今週末、予定ないですよね?」という広告
予定データの使い方は「行動予測」だけじゃない。
「予定がない」ことも、実はものすごい情報になる。
たとえば配信サブスクサービス。
「20代後半の既婚カップル、今週末の予定が空いてる」
この層に「カップルでドラマを一気に観る日にしませんか?」って提案する。
今週土日に予定がない層は220万人。ここに対してピンポイントで広告を出せる。
家具販売はどうか?
「未就学児のいるママ層で、入学式の予定が入ってる」
この層に「学習机いかがですか?今なら限定セール中です」って提案する。
入学式の予定が入ってる人は72.2万人。
「予定がある人」にも「予定がない人」にも、それぞれ最適な提案ができる。
ユーザーの声にこんなのがある。
「忘れていたことを広告で思い出した」
予定に関係がある広告に興味を持つ人は77.7%
普通の広告ってスルーされるやん。
でもTimeTreeの広告は、ユーザーにとって「役に立つ情報」として認識されてる。
ここまでの話で「予定データの凄さ」はわかった。
じゃあ具体的にどんな広告フォーマットを作ったのか。

カレンダーの「日付」を売るという発想
普通の広告は「枠」に出す。バナー、動画、フィード。
TimeTreeは違った。「日付」そのものを広告面にした。
カレンダーの特定の日付にアニメーションが浮かび上がる。
セール開始日、キャンペーン終了日、イベント当日。
カレンダーを開くたびに「あ、○月○日にセールや」って自然に気づく。

TimeTreeさま ご提供資料より
でもここに来るまでに試行錯誤があった。
2020年に始めた時、アニメーションは3秒で消える仕様やった。
結果、誰も気づかん。
かといって派手にしすぎると「カレンダーが見にくい」ってなる。
広告主と一緒に改良を重ねた。
「もうちょい長く」「でも邪魔にならん程度に」
何度も調整を繰り返して、2023年に10秒アニメーション→静止画が残る仕様にリニューアル。
「動きで気づかせて、邪魔はしない」
この調整で、あるキャンペーンの終了日認知が約2倍になった。
日付認知のブランドリフト効果は平均+13.41ポイント。
「広告枠」じゃなくて「日付」を売る。
この発想の転換、えぐくない?
でもTimeTreeの広告はこれだけじゃない、もっとヤバいのがある。

スキップされない広告、むしろ「保存」される広告
「習慣化広告」っていうメニューがある
味の素の献立サービス「未来献立」で実験した結果がすごかった
「毎週火曜は魚の日」みたいな予定を
ワンタップでカレンダーに一括登録できる
ここ、ちょっと立ち止まって考えてほしい。
普通の広告って、バナーでもSNSでも「表示された瞬間」がすべてやん。
見て、スルーして、消える。翌日には存在すら忘れてる。
でもTimeTreeの広告は、ユーザーが自分のカレンダーに予定として追加する。
カレンダーに入れた情報は、毎日開くたびに目に入る。
来週も、再来週も、消さない限り、ずっと残り続ける。
これが「保存される広告」の正体。
結果どうなったか。
サービスの認知が4.5倍
使いたい気持ちが1.5倍
習慣として定着した割合が1.3倍
つまり広告が「毎週のルーティン」になってる。
「ビールで乾杯」って予定を入れる広告もある。
邪魔な広告から「ありがとう」って言われる情報へ。

TimeTreeさま ご提供資料より

まとめ:カレンダーは「過去の記録」じゃなくて「未来の設計図」
TimeTreeの話を振り返ると、全部1本の線で繋がってる。
1. 「個人用」を捨てて「共有前提」にした
・GoogleもAppleもやらなかった設計を起点に7,000万人を獲得
2. 3年間、1円も稼がずファンを先に作った
・「持ち物を汚すな」という反対を乗り越え、信頼の上に広告事業を乗せた
3. 「ミドルファネル」を予定データで解決した
・「知ってる」を「やる」に変えるポイントに、カレンダーがハマった
・広告接触者の予定登録率は非接触者の2.2〜3.1倍
4. 1つの予定から未来が数珠つなぎで見える
・プロポーズから9ヶ月先の結婚式まで全部可視化
・試乗から49日で納車、しかも大安を選ぶ人間の本音まで見える
5. 広告を「邪魔なもの」から「保存したいもの」に変えた
・ユーザーがワンタップでカレンダーに予定として追加 → 毎日目に入り続ける
・習慣化広告は認知4.5倍、利用意欲1.5倍
6. カレンダーの「日付」を売った
・枠ではなく日付、検索ではなく予定。発想の軸を全部ずらした

カレンダーは「過去の記録」やなくて
実は「未来の設計図」やってん
お客さまの「悩み」は追いかけてるけど、
「決断」は見逃してない?
今回、株式会社TimeTree様に直接お話をお聞きした情報もございます!
(TimeTree様、ありがとうございます!!!)
もし、今回のレターを読んでいただいて、TimeTree Adsが気になった方はぜひ下記のお問合せフォームから一度お話をお聞きしてみてください!
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