増加する企業へのサイバー攻撃|アサヒ、アスクル、ニチレイ 134万件・229万件・非公表の数字差
この記事で学べること
サイバー攻撃を受けた会社の「正解」は、どちらだと思うだろうか。
2025年から2026年にかけて、生活に身近な3社が相次いで被害を受けた。
その差を並べると、危機対応の本当の分かれ目が見えてくる。
✓ 検知した瞬間にネットワークを「切れる」かどうかで、バックアップが残るか消えるかが決まるという初動の分かれ目
✓ 情報を隠すほど早く復旧できたように見えても、攻撃者からすら「隠した」と見抜かれ、疑念が残るという透明性のジレンマ
✓ 有事に「株主」「取引先」「顧客」の誰へ何日以内に話すか、平時のうちに決めておくべき理由
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半年、3.5ヶ月、12日間|同じランサム被害で、なぜこんなに差がついたのか
2025年9月から2026年7月にかけて、日本を代表する3社が相次いでランサムウェア攻撃の標的になった。
ビールと飲料のアサヒグループホールディングス。
オフィス通販のアスクル。
そして冷凍食品と低温物流のニチレイ。
被害の規模も業種もばらばらだが、生活に直結するインフラを担っていた点は3社に共通する。
まず、業務が元に戻るまでの時間を並べてみる。
・アサヒ: 攻撃発生(2025年9月29日)から全商品の出荷再開まで約半年(2026年4月7日)
・アスクル: 攻撃認知(2025年10月19日)から出荷正常化まで約3.5ヶ月
・ニチレイ: 攻撃検知(2026年7月13日)から全拠点の通常稼働まで12日間(2026年7月24日)
次に、何をどれだけ語ったかを並べてみる。
・アスクル: 侵入経路や社内の欠陥まで含め、漏えいのおそれがある約74万件の内訳を公表(7/30に追加公表し累計約134万件へ拡大)
・アサヒ: 漏洩のおそれを段階的に開示し、2026年7月17日時点で約229万件まで上方修正
・ニチレイ: 被害件数も侵入経路も、2026年8月2日時点で非公表のまま
一番早く元通りになった会社が、一番情報を出さなかった。
逆に一番語った会社の株価は、数ヶ月たっても低迷が続いていた。
復旧の速さと、正直に語る姿勢。
この2つは、比例していなかった。
実際、ニチレイの株価は業務再開が伝わった7月16日に+4.46%の急反発を見せている(ただし7/15の急落分の半値戻し程度にとどまる)。
一方アスクルもアサヒも、数ヶ月単位で株価の低迷が続いた。
ただし比較時点はニチレイが2〜3週間、他2社は数ヶ月経過とズレがある。
